内定後は書類の提示と内定者フォローを行う
内定は社内だけの決定ではないことに注意しましょう。応募者に内定を伝えた時点で、法的に認められた雇用関係が成立します。採用担当者は通知が義務付けられている書類の提示と、安心して入社してもらうためのフォローを始めましょう。直前の内定辞退や入社後のトラブルを防ぎ、スムーズな受け入れができます。
| 内定とは | 雇用主と労働者の間で労働契約が結ばれ、採用が決定すること |
内定者に「労働条件通知書」を渡す
内定決定後、すみやかに内定者に「労働条件通知書」を提示します。この書類は法的に交付が義務付けられているもので、就業場所や賃金、休日など働くうえで重要な条件を記載した文書です。
【おさえておきたい!4つの基本】
(Q)労働条件通知書とは?
(A)雇用主が採用予定者に対して労働条件を提示するための書類です。
※労働基準法第15条で「使用者は採用にあたり労働者に対して事前に労働条件を通知する義務がある」と定められています。
(Q)いつ渡せばよいの?
(A)内定を伝えるときのタイミングで、文書にして採用予定者に提示します。
※法的には雇入れ時(入社時)となっていますが、労働条件を確認しないと入社を決められないので内定時が一般的です。
(Q)何を記載すればよいの?
(A)就業を決めるにあたり、確認が不可欠な労働条件を記載します。
※契約期間(更新)、就業場所、業務内容、始業・終業時刻、休憩・休日、賃⾦(昇給)、退職に関することなど。※詳細は後述します。
(Q)紙の書類でなければいけないの?
(A)2019年4月から、採用予定者が希望する場合にかぎり、メールやFAXで交付できます。
※出力して書面にできるものに限られます。メールで送る場合は印刷や保存がしやすいよう、添付ファイルで送ります。
補足:労働条件通知書は、労働契約を締結するすべての労働者への交付が義務づけられています。だけでなく、パート・アルバイト、契約社員も交付対象です。
労働条件通知書の記載内容
労働条件通知書には労働時間や給料、休日など生活に直結する条件を明示します。数字は正しいか、説明は明確でわかりやすいかを意識して作成しましょう。労使間のトラブルを防止する効果が期待できるでしょう。以下に「記載しないといけない事項」の項目と記載例、注意点をまとめました。
<労働条件通支所の記載例>
| 項目 | 記載例 | 注意点 | |
| 1 | 労働契約期間 | ・期間の定めなし または ・期間の定めあり [ 年 月 日~ 年 月 日 ] (更新:自動的に更新する・更新する場合があり得る・契約の更新はしない) |
・期間の定めがあるときは更新の有無を記載 ※該当項目に〇をつける ・試用期間がある場合はその旨と期間を記載 |
| 2 | 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準 | 契約の更新は次により判断する。 ・契約期間満了時の業務量 ・勤務成績、態度、能力 ・会社の経営状況 ・従事している業務の進捗状況 ・その他 [ ] |
・契約を更新する場合の 「判断の基準」を具体的に記載 ※該当項目に〇をつける |
| 3 | 就業の場所 | 特別養護老人ホーム〇〇(東京都港区芝公園2-11-1) ※人事異動により、就業場所を変更することがある |
・詳細な就業場所の住所を明示 ※人事異動等で就業場所が変わる 可能性がある場合は記載しておくとよい |
| 4 | 従事する業務 | 1.介護業務 2.清掃業務 3.事務 4. ( ) | ・複数職種がある場合は列挙し、 該当項目に〇をつける |
| 5 | 始業・就業時刻、休憩、休日 |
1.始業、終業の時刻 |
・シフト制は全時間帯を記載 <例>(早番)7:30~16:30 (日勤)9:00~18:00 (遅番)10:30~19:30 (夜勤)17:30~ 翌9:30 ・所定時間外労働(残業)の目安もあるとよい ・休日の種類と日数を記載 |
| 6 | 賃金の決定方法、支払時期、昇給 | 1.賃金 基本給:月給 21万円 夜勤手当:5,000円/回 資格手当:7,000円/月(介護福祉士) 家族手当:8,000円/子ども12歳まで 賞与:あり(6月、12月基本給の3ヶ月分※業績による) ・ なし 2.賃金支払時期:月末締め翌月25日支払い ※本人名義の銀行口座へ振込 3.昇給:あり (4月更新、実績により判断) |
・賃金は最低賃金を下回らないように注意。手当ては名称と金額、支給条件を記載 ・通勤手当など変動するものは就業規則の規定によると補足するとよい ・残業代は割増賃金率を明示 ※みなし残業代の場合は時間と 金額を記載 |
| 7 | 退職について | 1.定年制 (あり:60歳 ・なし) 2.定年再雇用制度 (あり:70歳 ・なし) 3.自己都合退職の手続(退職する14日以上前に届出) 4.解雇の事由及び手続き (就業に適さないと認められたとき。または業務の縮小、事業の継続が困難なとき等) ※詳細は就業規則第〇条を参照 |
・定年制、定年再雇用制度がある 場合は年齢もあるとよい ・解雇事由の詳細は就業規則を 参照するよう記載してもOK |
◎厚生労働省から「ひな型」が提供されています◎
雇用形態に合った形式を選び、自社の労働条件を入力しましょう。
▶ひな型をダウンロード(厚生労働省ホームページへ)
※ページ下部の様式「労働条件通知書」を参照
内定辞退を防ぐには安心感が効果的
優秀な人材ほど、複数の内定が出ています。内定辞退を防ぐには、安心して働ける職場だと思ってもらうことが大切です。内定を出す際に「採用する理由」や「任せたい仕事や役割」を伝えることや、労働条件通知書を速やかに提示し、給料や勤務時間、休日など特に気になるであろう条件はわかりやすく説明することが安心感につながります。
【安心感を与える2つのアクション】
(1)内定時に採用理由を伝える
内定者は必要とされている理由がわかると入社意欲がアップします。
(2)条件を詳しく説明
内定者から聞きにくいので説明があると安心します。
入社までにしておきたい3つのフォロー
内定者は仕事が決まってうれしい反面、新しい職場に不安も感じています。フォローが行き届いていないと入社直前で辞退されてしまう可能性があります。内定後のコミュニケーションを大切にしましょう。
【1:入社日の調整】
よくある辞退ケース▶入社時期を考慮してくれない
「引継ぎに1ヶ月くらい必要だと伝えたのに、即入社するよう言われた」
↓
◎柔軟に対応すると好印象
・内定者の就業状況や事情を考慮して入社日を提示する
・入社日は相談や調整の余地があることを伝えておく
(トーク・メール文面例)
入社日は7月上旬を予定しています。引継ぎや準備が必要
かと存じますので〇〇さんのご都合も考慮して、調整しましょう。
【2:継続的なコンタクト】
よくある辞退ケース▶連絡が来なくなってしまった
「入社時期が数か月先でもよいと内定が出た。その後、書類送付や連絡もない」
↓
◎入社まで間が空く場合は、2週に1回程度連絡
・引継ぎ、引越しなど内定者の状況を確認する
・施設の近況や内定者を歓迎している様子などを伝える
(トーク・メール文面例)
引継ぎは順調でしょうか。入社まであと1ヶ月ですね。こちらは、浴室の改装工事がおわり、利用者さまから好評いただいています。
【3:入社後に必要な情報提供】
よくある辞退ケース▶入社後の働き方がわからない
「研修があるのか、シフトはどうなるのかわからない。生活がどう変わるのか不安」
↓
◎入社前後1~2週間の予定を伝える
・入社日までに必要な書類や手続きを詳しく案内する
・入社後の研修スケジュールなどをあらかじめ伝える
(トーク・メール文面例)
入社当日~3日間はオリエンテーションと研修があります。実務は、4日目以降の予定です。※研修担当が一緒ですのでご安心ください。
内定から入社まで、時間が短いケースと長いケースがあります。どちらの場合も内定者が不安にならないよう、書類の準備や入社までのフォローを行いましょう。
「内定後に採用担当者がするべき2つのこと」はPDF形式の資料を保存することができます。
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