志望動機と退職理由は対策されやすい
面接は、応募者の人柄やスキルが自社に合うかを見極める大切な場。しかし、志望動機や退職理由は準備しやすいため、模範的な回答に惑わされることも少なくありません。そのまま鵜呑みにすると、本音を見抜けず、ミスマッチ採用につながってしまいます。早期離職やトラブルを防ぐには、質問の工夫が不可欠です。
本音を引き出す4つの質問テクニック
志望動機や退職理由の裏にある本音を知るには、答えを深掘りできる質問が効果的です。「はい」「いいえ」で終わらないオープンクエスチョンを使えば、応募者の言葉で考え方や価値観が自然と表れます。本音に近づくための4つのテクニックをぜひ活用してみてください。
【1】なぜ?
応募者が答えた理由や背景を引き出す質問方法です。目的や根拠を深掘りできるため、回答の理解がより深まります。ポイントは、質問の範囲をなるべく絞ること。答えやすくなり、本音も見えやすくなります。
<志望動機から本音を探る>
「3年間、特養に勤務して身につけた経験とスキルを活かし、利用者様がより家庭的な環境で生活できるグループホームでの介護にチャレンジしたいからです」
|
「なぜ?」で掘り下げる |
回答からわかること |
|
なぜ、家庭的な環境で介護を行いたいと考えるようになったのでしょうか? |
きっかけを聞くことで、応募者がどのような思いを持って仕事に取り組んできたかが見えてきます。 |
|
なぜ、グループホームなら家庭的な環境で介護ができると思ったのですか? |
応募者が考える「家庭的な環境」と、自社のケア方針とのズレがないか確認できます。 |
|
なぜ、特養では家庭的な介護が難しかったと感じたのでしょうか? |
これまでの職場で、応募者がどんな課題にどう向き合ってきたかを知る手がかりになります。 |
【2】具体的には?
抽象的な表現や概念的な回答を、より明確に深掘りする質問方法です。「具体的にはどういうことか?」と聞くことで、応募者がどれだけ深く考えているか、どんな価値観を持っているかが見えてきます。
<志望動機から本音を探る>
「御社の『一人ひとりが尊厳を持ちながら、いきいき暮らせる場所をつくる』という理念に共感しました。利用者様に寄り添ったサポートをしたいと考えています」
|
「具体的には?」で掘り下げる |
回答からわかること |
|
〇〇さんが考える“尊厳”とは、具体的にどのようなことでしょうか? |
抽象的なキーワードを深掘りすることで、自社との価値観の一致が見えてきます。 |
|
利用者様が“いきいきと暮らす”ために、必要なことを具体的に挙げてください。 |
応募者が目指すケアの方向性が、任せたい業務と合致するか確認できます。 |
|
「寄り添ったサポート」として、具体的にチャレンジしたいことを教えてください。 |
応募者が挑戦したいことが貴社で実現可能かどうかがわかります。ミスマッチを防げます。 |
【3】どう思った?
応募者の考えや気持ちを自由に引き出せる質問方法です。「なにを大切にしているか」といった価値観に触れられるのが大きなメリット。その人らしさや職場との相性を見極める手がかりになります。
<退職理由から本音を探る>
「ベテラン職員が旧態依然とした介護方針でした。利用者様が望まないケアをするのが心苦しかったです。施設長も黙認しており、退職を決断しました」
|
「どう思った?」で掘り下げる |
回答からわかること |
|
利用者様が望まないケアをしているとき、〇〇さんはどう思っていましたか? |
応募者が持つ価値観や人間性が見えてきます。職場との相性を判断する手がかりになります。 |
|
ベテラン職員の古い介護方針を見て、どう思いましたか? |
困難や課題に直面したときの捉え方や行動がわかります。実際にどう対応したかも見えてきます。 |
|
施設長が問題を放置しているように見えたとき、どう思いましたか? |
物事が思い通りに進まないときに、どんな反応や姿勢をとるのかを知ることができます。 |
【4】どう感じた?
応募者の経験や行動にともなう“感情”を引き出す質問です。喜怒哀楽を具体的に聞くことで、本音だけでなく、その人の人柄や価値観にも触れることができます。
<退職理由から本音を探る>
「効率性を重視する方針が極端で、看取りや排泄介助の場面で利用者様の尊厳が守られていませんでした。改善提案をしましたが理解されず、退職を決めました」
|
「どう感じた?」で掘り下げる |
回答からわかること |
|
看取りにまで効率を重視していたことについて、どう感じましたか? |
理想と現実のギャップに直面したとき、どう受け止める人なのかが見えてきます。 |
|
尊厳を傷つけられた利用者様を見たとき、どう感じましたか? |
厳しい場面で何を感じたかを聞くことで、周囲や他者との関わり方が見えてきます。 |
|
ご自身の提案が受け入れられなかったとき、どう感じましたか? |
意見が通らなかったときに、どう受け止め、行動するかがわかります。 |
応募者の本音や価値観を選考に活かすコツ
合否判断の際は、面接で見えた人柄を自社の理念や職場の雰囲気と照らし合わせて見極めることが重要です。現場では人間関係が何より大切。既存職員との相性も意識しておきましょう。スキルよりも「どんな思いで働こうとしているか」に注目した選考が、結果的に定着につながります。
【見極め事例1:理念や社風】
「変化に寛容的で若い職員が多い」
◎マッチ度が高い人材
・チャレンジ気質がある
・改善提案が得意
・失敗から学べる
| △採用は要検討 |
ルールやマニュアルに沿った業務の方が働きやすい。 |
|
新しいアイデアより、過去の経験を大切にしている。 |
【見極め事例2:既存メンバーとの相性】
「チームワークを重視するメンバーが活躍」
◎マッチ度が高い人材
・調和を重んじる
・頭ごなしに否定しない
・多様な働き方に寛容
| △採用は要検討 |
困ったことがあっても周囲に頼らず、自分で解決したい |
|
ひとりでコツコツと業務に取り組むことで能力を発揮できる |
【見極め事例3:入職後の役割】
「リーダーシップを発揮してほしい」
◎マッチしている人材
・教えることが得意
・意思決定力がある
・信頼関係を築ける
| 採用は要検討 |
指示があった方が動きやすい、自分で判断するのが不得意。 |
|
頼られるよりもサポートすることで役に立ってきた |
応募者の本音を引き出すためには、質問の仕方を工夫することが重要です。さらに応募者の回答は自社の理念や雰囲気と照らし合わせ、合致するかどうかで判断するとミスマッチを減らせるでしょう。
「応募者の本音を引き出す質問術」はPDF形式の資料を保存することができます。
※本資料は採用を保証するものではございません。予めご了承ください。また著作権は株式会社エス・エム・エス(以下弊社)に所属します。弊社の明確な同意を得ずに加工、複製、販売、配布することはできません。